美容鍼でたるみ改善できるというのは嘘?ほんと?正しい理解で効果的なケアを

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この記事を読むとわかること

  • 顔の「たるみ」が起こる主な原因(皮膚・筋/SMAS・脂肪・骨の多層要因)
  • 美容鍼の位置づけ(できること/できないこと)
  • 美容鍼灸以外の美容施術

はじめに

「美容鍼がたるみに効く」と聞くと、
“刺すだけでリフトアップ”を想像しがち。

でも、即効で劇的に上がる。
そんな過度な期待は禁物です。

たるみは、
皮膚/筋(SMAS)/脂肪/骨
いくつもの変化が重なって起こります。

そのため、単一の方法での完全解決は現実的ではありません。

ただし、美容鍼には肌環境を整える補助的な役割が期待できます。

たるみの5つの原因

顔のたるみは、実は一つの原因ではなく、次のような5つの複数の変化が重なって生じる現象です。

① 皮膚の老化

光老化した皮膚は
コラーゲン線維が乱れたり断片化し、弾性線維の損傷も目立つ ことで、
皮膚の張力や弾力性が低下する と述べられています。

つまり、

コラーゲンやエラスチンの劣化によって、皮膚の弾力が失われ、たるみが進行する ということです。

※美容鍼灸で適用になる部分で、後述します

② 筋肉・筋膜(SMAS)の機能低下

加齢に伴う SMASや支持靭帯の変化 により、
中顔面の支持力が低下し、下垂やたるみに関わる と報告されています。

つまり、

筋肉やSMASの支持力が落ちると、顔全体を“引き上げて支える力”が弱まり、たるみが進む ということです。

※美容鍼灸で適用になる部分で、後述します

③ 脂肪の変化(萎縮・下垂・移動)

顔の老化は
脂肪コンパートメントの萎縮(ボリューム低下)と下垂 に関連し、
法令線の深まりやフェイスラインのたるみ(ジョーリング)などの輪郭変化 を引き起こすと報告されています。

つまり、

脂肪が減ったり下がったりすることで、法令線やフェイスラインの崩れが強調される ということです。

④ 紫外線など外的ダメージ

紫外線の中でも UVAは真皮まで深く到達して弾性線維に変化を起こし
一方で UVBは主に表皮に影響する と報告されています。


つまり、

紫外線は皮膚の表層から深層までダメージを与え、長期的にたるみを加速させる ということです。

⑤ 骨格の変化

加齢による骨格の変化として
上顎の後退・眼窩の拡大・下顎骨の吸収 などが起こり、
それが 軟部組織(皮膚や脂肪など)を支える土台を弱め、たるみや輪郭変化に関わる と報告されています。

つまり、

骨の縮小や骨の後退そのものが、皮膚や脂肪の“土台崩れ”を招き、たるみの大きな要因になる ということです。

これらの情報を基に次は「美容鍼で何ができて、何ができないか」をまとめていきます。

美容鍼は「何ができる/できない」?

結論
前述の5つの原因の中では、

①皮膚(真皮) と ②筋・SMAS へのアプローチが中心です。


③脂肪の変化/④紫外線などのダメージ/⑤骨格の変化美容鍼の適用外 です。

① 細胞刺激によるコラーゲン産生

前述した原因の1の部分に適用です。人でのエビデンスは限定的ですが合理性はあります。

  • 期待できることハリ・質感の底上げ、小ジワの軽減(部分的)。
  • 限界鍼単独で長期的なリフトアップは科学的に確認されていない全顔の明確なリフトアップは他の手段がおすすめ。
  • 向いている人ハリ不足や局所の小ジワが気になる人(※顔全体の大幅改善は鍼単独では難しい)。

② 表情筋への間接刺激

前述した原因の2の部分に適用です。エビデンスは限定的ですが、合理性はあります。

  • 期待できること:美容鍼パルス(鍼通電)で筋活動を促し、“上げる力”をサポート(口角・頬の持ち上がり感)。
  • 限界:SMASや靭帯を物理的に引き上げる作用はありません
  • 向いている人:口角が上がりにくい/笑顔を作りにくい/軽〜中等度の“筋の機能低下由来”のたるみ感。

他の選択肢

顔全体の広いリフトアップ」を希望する方には、以下の美容医療施術が検討されます。

いずれも、顔のたるみに有効と報告された研究に基づいて紹介します。

① MFU(高密度/マイクロフォーカス超音波)

MFUは
軽度〜中等度の顔面皮膚のたるみに対して有効 と示されています。

「顔全体を広く引き締めたい」ニーズで検討される代表的な選択肢 です。

② RFマイクロニードリング(ポテンツァ)

RFマイクロニードリングの評価で
顔のしわ・皮膚のたるみ・質感不整に平均20〜60%の改善 が示された、と報告されています。

たるみだけでなく、質感(小ジワ・肌の凹凸)も含めて改善を狙う選択肢 です。

③ フィラー(CaHAなど)

CaHA注入は
皮膚の質や輪郭修正などの美的アウトカムで有意な改善 が関連していた一方、
研究間のばらつきや高品質RCTの不足 から、さらに厳密な試験が必要とされています。

輪郭形成や皮膚の質の底上げで検討されるが、根拠の強さには限界もあります。

総括

美容鍼は“構造を直接変える治療”ではありませんが、”血流改善や細胞の活性を助ける”良い補助という位置づけです。

美容鍼を勧めやすい人:

「肌のハリ感を底上げしたい」
・「軽度のゆるみ且つ局所のシワのケアをしたい人」
「ダウンタイムは避けたい人」

美容鍼を勧めにくい人:

脂肪の下垂や骨の後退が主体のたるみ、明確、継続的な輪郭形成を短期間で求めるケース
形成の医療的選択肢(例:マイクロニードルRF、MFU、フィラー)も視野に。

まとめ

  • 顔の「たるみ」が起こる主な原因(皮膚・筋/SMAS・脂肪・骨の多層要因)
  • 美容鍼の位置づけ(できること/できないこと)
  • 美容鍼灸以外の選択肢

参考文献

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