美容鍼とほうれい線について

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この記事を読むと分かること

  • ほうれい線(鼻唇溝)は“しわ”ではなく、折れ目である
  • 原因は主に骨の土台減少・脂肪の位置と量の変化・皮膚の弾力低下
  • 原因の層に合わせた施術を選ぶと効果的(組み合わせが基本)
  • 美容鍼は補助的には有効だが、単独で深い溝を薄くする主役にはなりにくい

はじめに

「ほうれい線」は年齢のせいだけではありません
頬の“動きやすい組織”が、鼻の横の“固定された帯”に寄ってできる段差です。
対策のコツは、どの層(骨・脂肪・皮膚)が原因かを見極めること。それぞれの原因のメカニズムを記載していくとかなり冗長になり内容も難しくなるため、短く端的に記載していきます。

ほうれい線の原因

※以下の形成外科の専門誌から引用してます

原文

In terms of etiology, NLFs can be classified into the following types: skin, fat pad, bone retrusion, and mixed.

著者訳

原因(病因)の観点では、ほうれい線は「皮膚型・脂肪パッド型・骨後退型・混合型」に分類できる。(=主要な3要因+“混合”)と報告されています

参考文献
Li Q, Cui H, Tseng F-W, et al. The Assessment, Strategy, and Treatment Protocol: Nasolabial Fold Assessment, Strategy, and Treatment With Hyaluronic Acid Fillers in Chinese Patients. Plast Reconstr Surg Glob Open. 2025;13(5):e6792. doi:10.1097/GOX.0000000000006792. Available from: https://journals.lww.com/prsgo/fulltext/2025/05000/the_assessment%2C_strategy%2C_and_treatment_protocol_.73.aspx (最終確認日:2025年10月4日)

1,土台(骨)の後退


上あごの骨(上顎骨)や鼻の穴の縁(梨状口)が痩せて後ろに下がると、その骨の上に乗っている深層脂肪の支えが減り、前下方向へずれやすくなります。
  例:本棚(骨)が後ろへ下がると、本(脂肪)が手前・下へずれる

2,脂肪の再配分


 細かく分けると、脂肪組織は深層と浅層で別れています。
 加齢で深層脂肪は減りやすく、一方で浅層脂肪は重力や表情の動きで前下へ移動しがち。
 鼻の付け根は皮膚が骨に強く留めつけられて動きにくい“固定ゾーン”で、そのすぐ横の頬のやわらかい脂肪が下がって寄りかかるため、境目に折れ目(影)ができる = ほうれい線が目立つ

3,皮膚の弾力低下


 コラーゲン/エラスチンが劣化して弾力が低下すると、一旦できた折れ目が戻りにくく、固定化しやすくなります。

美容鍼でできることは?

できること(補助効果)

血流改善によるむくみ感の減少 → 見た目が柔らかくなる”一時的効果は期待できる。
朝むくみやすいというタイプの人には効果実感がしやすいです。

難しいこと

骨の減少・深層脂肪の萎縮といった“構造問題”を単独で大きく改善すること。
これらの構造問題は、別の美容施術がおすすめ。美容鍼の創傷治癒刺激は軽度で、深い溝を単独で長期改善する根拠は乏しい。

原因別の有効な施術

原因が骨痩せや後退の場合

  1. ヒアルロン酸注射
    狙い:鼻基部の支えの再建
    効果/持続:即時/9–18か月(個人差あり)
    注意:溝の“線埋め”は不自然になりやすい。支えを作る打ち方が基本。血管リスクに配慮。
  2. 自家脂肪注入
    狙い:広範囲の深層ボリューム補充
    効果/持続:生着分は長期(個人差あり)
    注意:形の微調整が前提
  3. 骨格/歯科領域の治療(矯正・外科的前方移動等)
    狙い骨性後退が強いケースの根本対応
    効果/持続長期/ダウンタイム大

※ 1,2は骨(痩せまたは後退した土台)に対して上に補強するイメージ

原因が脂肪にある場合

  1. HIFU / MFU(超音波リフト)
    狙い:SMAS/靭帯周囲を点加熱  位置を上向きに補正
    効果/持続:数週間で実感/6–12か月(個人差あり)
    向く人:頬を上げると線が薄くなる軽~中等度の下垂
  2. 糸リフト
    狙い:靭帯を支点に即時の再配置
    効果/持続:すぐ実感/6–12か月(個人差あり)
    注意:凹凸・内出血の可能性。軽度下垂向け
  3. 外科
    狙い確実なリポジショニング
    効果/持続年単位/ダウンタイム・費用大

原因が皮膚弾力低下の場合

  1. フラクショナルレーザー
    狙いコラーゲン再生→厚みとハリ
    回数/持続3–4回コース/6–12か月+
    注意:肌質によりダウンタイム・PIH対策が必要
  2. ポテンツァ(RFマイクロニードル)
    狙い:真皮加熱+微細創→ハリ・毛穴・質感改善
    回数/持続3回前後6–12か月
    特徴:色調に左右されにくく、細かい設定が可能
  3. コラーゲン刺激注入剤(ジュベルック、リジュラン等)
    狙い面でのハリ底上げ(コラーゲン増産)
    回数/持続:複数回で漸進的に/数か月~年単位

総括

ほうれい線は“境目の段差”。土台(骨)・脂肪(量/位置)・皮膚(弾力)のバランスが崩れて深くなります。
原因の層に合う施術を組み合わせるのが最短ルート。
美容鍼は補助役としては有効だが、単独で深い溝を薄くする主役にはなりにくい

まとめ

  • ほうれい線(鼻唇溝)は“しわ”ではなく、折れ目である
  • 原因は主に骨の土台減少・脂肪の位置と量の変化・皮膚の弾力低下
  • 原因の層に合わせた施術を選ぶと効果的(組み合わせが基本)
  • 美容鍼は補助的には有効だが、単独で深い溝を薄くする主役にはなりにくい
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